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「NOBのこと」

 

昨年(2012)秋、名古屋の科学オモチャ研究家の市原千明さん(♂)と二人で、「NOB王座決定戦」というお馬鹿イベントをやりました。NOBとは、ナン センス・おもちゃ・バトルの略。ま、二人ともおもちゃへの思い入れが異常に強く、また収集家でもあり、コレクション自慢大会をやった訳です。

始 まりは市原さんからの年賀状でした。『お互いのコレクションの中から、「ビックリ」とか「くだらない」とかのテーマを決めて、ワンテーマ3点位のおもちゃ を出しあい、どちらがよりテーマに添って面白いかを、会場のお客様に決めてもらう、という企画は如何?』と、その年賀状には書いてありました。私はその日 のうち(つまり元日)に「やりましょう」という返事をメールで送りました。 まあ、馬鹿馬鹿しい企画です。何ももたらさない企画かもしれません。でも即決したのはなぜか?無論、面白そうだったからに他なりません。(中略)

決 戦当日は、午前中は二人の演芸を披露しました。私は積み木ショー、市原さんは南京玉簾と立ち絵紙芝居。午後からはおもちゃトークに続き、第1回NOB王座 決定戦本番です。いや~ホントにハードな1日でした。二人ともヘトヘトのボロボロ。でも、最高に面白かった! やって良かった! で、王座決定戦の結果がどうなったかは、又の機会に譲る事にして、ここで私が検証したかったのは、こういうお馬鹿企画にのめり込む自分を、ちょいと客観視 してみようかと思った訳です。

 

NOBをやる事になってからずっと、ひた すらおもちゃの事を考え続けたのですが、その間(約10ヵ月)私は、考える事が面白くてたまらなかったのです。仕事でおもちゃの事を考える時と全く違って いました。仕事の場合、おもちゃは、保育とか発達あるいは効用などを抜きに語れません。私は保育園や幼稚園で、遊びやおもちゃについての研修を頼まれる事 が、ままあるのですが、こんな時、本気で真面目に、〇歳児に適したおもちゃとは何かとか、より良く遊ぶ為の保育環境の整え方とかを語ります。そこで保育者 にお伝えする内容に、自信がない訳ではないのですが、固~く真面目にそればかりやっていると、何か反動のように、思い切り馬鹿な事をやりたくなってしまう のです。これが何かと考えると、結局講師の自分も真面目、保育者の皆さんも基本的に真面目、という状態でおもちゃを語ろうとした場合、伝えきれない何かを 自分はいつも感じていたんだと気付く訳です。やっぱりおもちゃってめちゃくちゃ面白い物だし、下らない部分も無視してはいけない気がします。

 

  「遊び」をテーマに保育者に講義するとき、保育者の真面目さに、やや戸惑う事があります。真面目なのは良いんです。ただ、余裕がないとねぇ。講義するより 実際に遊んだ方が早いなと感じる事もあります。おもちゃは、発達を促したり、新しい発見があったりして、保育や子育てに欠く事のできない物です。これは大 前提。でもその前におもちゃはまず面白い物。この面白いの中に下らない要素があっても、それも含めておもちゃだし遊びだと思う訳です。 そして何より強く思うのは、子どもの遊びに日々立ち会う保育者には、遊びやおもちゃの、下らなさや取るに足らなさも理解した上での、保育者自身の「遊びご ころ」が絶対に必要だと思います。それを「心の余裕」と置き換えても良いかも。 子どもの遊びは、瞬間瞬間がナマ物みたいな所があって、保育者の言葉掛けひとつで、遊びが発展もするし、萎んだりもします。遊びを大事に考える保育では、 最終的に保育者の遊びごころが問われる時があると思うんですよね。 だからと言ってNOBみたいなお馬鹿企画が、保育者に有効かと言えば、ンなこたあないかもしれませんが…。ははは。

 

(百町森 コプタ通信「書きたい放題 第1回」より)

「第二回NOBのこと」

 

 

さて、この連載の第一回目にも紹介しましたNOB(ナンセンスおもちゃバトル)を、今年もやりました。

開催場所は小樽。今回のNOBは、タイトルを仲良しおもちゃバカと改め(つまりバトルをやめ)、私と名古屋の科学オモチャ研究家、市原千明氏のコレクション自慢大会のようなものになりました。

やっぱりチョー面白かった。やって良かった!で、この場で私の紹介した12のカテゴリーのおもちゃの内訳ですが、なんと8点が私自身の手作り品になってしまいました。私以外の方の手作り品が2点で、既製品は2点のみというラインナップだったのです。自分でもビックリですね、よくもまぁ作ったものです。つくづく「作る事」が好きなんだなあと、自覚した相沢でした。

何点か紹介致しましょう。まずは飛び出しボンド。木工用ボンドの空容器を使ったおもちゃです。ボンドがつまってしまったかに見せかけて、タコ糸が飛び出すという、馬鹿馬鹿しい引っかけおもちゃですね。他には古典のアレンジ、煙出し人形も作りました。モデルは自分自身。香りの良い副流煙が漂います。ガチ!バリ!新作積み木も発表出来ました。

このうち何点かが製品化になれば、ラッキーなんですが、何が何でも製品化させようみたいな欲が、昔ほどないのも事実ですね。純粋に『作る』事を楽しんでいる感じの昨今の私です。いつか相沢らしい、かつメチャメチャ面白い作品が出来ましたら、皆さんに御披露目できる日もくる事でしょう。気長にお付き合い下さいね。

 

(百町森 コプタ通信「書きたい放題 第4回」より)

 

 

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